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フィッチ、ギリシャの5金融機関を格下げ

 欧米格付け会社フィッチ・レーティングスは18日、ギリシャ・ナショナル銀行など、ギリシャの5金融機関の長期信用格付けを、「Bマイナス」から「CCC(トリプルC)」に1段階引き下げたと発表しました。

 ギリシャの国債格付けを前日、同様に引き下げたことに伴う措置です。 ギリシャがユーロ圏を離脱する事態になれば、欧州連合(EU)などから金融支援を受けられなくなり、同国の金融機関がデフォルト(債務不履行)に陥る危険性が高まると判断しました。

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ギリシャに迫る悪夢のシナリオ、「ドラクマゲドン」襲来か

 ギリシャの首都アテネでは、ホームレスの数が1年前と比べ2倍になりました。 何か売れるものがないかと、ごみ箱をあさる人の姿も見られます。

 ギリシャは限界が近くなっています。 緊縮財政策をめぐって四苦八苦している状態ですが、これは悪夢の前触れでしかありません。 ユーロ圏からの離脱ということになれば、ギリシャには混乱や飢餓が訪れ、場合によっては無政府状態になる可能性もあります。

 ユーロ圏から離脱した場合、ギリシャは単一通貨のユーロ導入前に使っていた「ドラクマ」を再び使用することになるでしょう。 新ドラクマの価値は最大で70%下落し、インフレが進行、金融機関は破綻し、貿易は崩壊すると推測されます。 ですが、債務危機が一般的なギリシャ国民にどのような影響を及ぼすのかを予想するのは容易ではありません。

 ギリシャは国内で消費する食糧の約40%を輸入に頼っています。 石油や天然ガス、医薬品の輸入依存率も非常に高くなっています。 ギリシャ中央銀行のプロボポラス総裁は、ユーロ圏から離脱すれば、その後の混乱で海外からの物資供給はなくなり、生活に必要な物が急激に不足することになると指摘します。 何とか物資を調達できたとしても、価格は驚くほど高くなるでしょう。

<悪夢のシナリオ>

 「燃料がなければ、軍や警察は車両を動かすことさえできなくなる」。 プロボポラス総裁は、ギリシャはユーロ圏離脱で、初めのうちは悪夢のシナリオを味わうことになると説明しました。

 元財務相のパパントニウ氏は昨年7月、ロイター・インサイダー・テレビのインタビューで移民問題について予見。 「ギリシャは1100万人の国民を養うことができなくなる。大量の移民が生まれるだろう」と語り、完全な無政府状態が訪れると警鐘を鳴らしていました。 実際、昨年ギリシャからドイツに渡った移民は、前年比90%増の2万3800人に上りました。

 また、ギリシャは5年目のリセッション(景気後退)に突入していて、国内のビジネスマンが置かれている状況はすでに厳しいものになっています。

 「物資の不足が現れ始めた」。 文房具などを輸入している女性が訴えるには、「フランスやスペインの業者は信用取引を継続してくれているが、ドイツの業者は特に厳しく、取引を拒み始めている」といいます。 ギリシャの小売連盟ESEEは、「海外の取引先は、ギリシャのビジネスマン個人を信用していないのではなく、ギリシャの銀行を信用していないのだ」と指摘しました。

 ギリシャは機械類やソフトウエアなどを基本的に全て輸入に頼っているため、ユーロ圏から離脱して価値が下落した新ドラクマを採用するようになれば、企業は成長することができなくなるでしょう。

 輸入業者の1人は、「ドラクマが再び使われることになれば、誰も海外とは仕事ができなくなる」と語ります。 「(離脱の)翌日には会社を閉めなければならないだろうし、他の数千の企業もそうなる」と危機感を募らせました。

<ドラクマゲドン>

 さらに新たな通貨を短期間で導入できるのか、という問題もあります。 ウニクレディトのチーフエコノミスト、エリック・ニールセン氏は、「ギリシャには秩序だった新通貨導入ができるだけの制度面での強さがない」と分析します。

 今月6日の総選挙で反緊縮財政策を掲げて第2党に躍進した急進左派連合(SYRIZA)は、最近まで勢いを増していましたが、17日に行われた世論調査では、国際支援を求める新民主主義党(ND)が支持を伸ばしていることが分かりました。 ユーロ圏離脱による悪夢のシナリオが国民に広がってきた証しかもしれません。

 昨年11月には、ギリシャのテレビ番組で「ドラクマゲドン」という言葉が紹介されました。 通貨の「ドラクマ」と映画「アルマゲドン」を掛け合わせた造語で、2001年のユーロに加盟時に宇宙へとはじき出されたドラクマが、隕石のように地球に舞い戻り、全てを破壊してしまうという話です。

 証券会社ブラウン・ブラザーズ・ハリマンのマーク・チャンドラー氏は、「われわれがギリシャのユーロ残留を予測している主な理由は、離脱ということになれば、今でも悪い状態がさらに悪化すると思われるからだ」と語りました。

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米国内生産に回帰 中国から拠点移転

 製造拠点を海外から国内に移す「リショアリング」と呼ばれる現象が、米国で活発になっています。 とくに中国から工場を引き揚げる動きが進んでいて、背景には中国での人件費の上昇やカントリーリスクへの懸念があります。 11月の大統領選で再選を狙うオバマ大統領も「米製造業の再興」を掲げ、長らく停滞していた米製造業が脚光を浴びています。

 中国など新興国に拠点を求めていた米製造業が今なぜ、米国に続々と「帰ってきた」のでしょうか。 いくつかの理由が指摘されますが、とくに大きいのが、中国を「世界の工場」たらしめていた安価な人件費が過去のものになりつつあることです。

 中国における製造業の1人当たり月平均賃金は、リーマン・ショックに伴う金融危機が直撃した2009年を除きますと、ここ数年間2ケタ増のペースで伸び、昨年までの5年間でほぼ倍増しました。 米ブルッキングス研究所のハワード・ワイル研究員は「賃金の急上昇を目の当たりにし、多くの米企業が中国から拠点を戻した方がメリットがあると思い始めた」と指摘します。 日本や欧州に比べれば米国は人件費が安いこともあります。

 加えて原油など世界的な資源価格の高止まりで、原材料費や輸送費も上昇していて、製造拠点の分散は米企業にとってリスクにすらなりつつあります。

 さらに、米企業にとっての中国の政治・社会リスクが最近顕在化していることも見逃せません。 象徴的なのが、米電子機器大手アップル社をめぐるトラブルです。 同社の看板商品の「アイパッド」の商標で中国企業と訴訟になったほか、労働待遇をめぐっても中国の現地工場との軋轢(あつれき)が表面化。 手厚い政府の補助金に支えられた中国企業との競争に苦しむ米企業も少なくありません。

 中国との経済摩擦を懸念する声は根強いものの、親中派の米業界団体によってワシントンで4月に開催されたフォーラムでは、米ケイトー研究所のダニエル・イケンソン研究員が「中国は市場の自由化を進めており、メディアが米国との摩擦をあおっている」と強調しました。 別の米シンクタンク関係者は「安全保障では譲れなくても、通商問題では米中間の決定的対立を避けたいのがオバマ政権や米産業界の本音」と解説します。

 それでも米製造業のリショアリングは当面加速しそうな気配です。 米国はこれから大統領選に向けて本格的な政治の季節を迎えます。 最大の焦点は雇用問題ですが、とりわけ米経済を牽引する製造業の雇用の拡大は大統領の腕の見せ所です。

 オバマ大統領は2月15日、ウィスコンシン州ミルウォーキーの米錠前メーカー大手マスターロック社の工場を視察。 その場で演説した大統領は、やはり中国から拠点を移した同社を「米国での雇用を重視している企業だ」と持ち上げ、米製造業の復活に向けてオバマ政権が邁進することを誓いました。 オバマ氏は自動車産業が集積するミシガン州などでも演説し、公的資金投入による米自動車産業復活の成果をアピールするなど、リショアリングを最大限に政治利用する方針です。

 一方、大統領選でオバマ氏との対決が濃厚な共和党の有力候補、ロムニー前マサチューセッツ州知事も負けてはいません。 法人税率を最高25%(オバマ氏は28%)へ引き下げると打ち出したほか、米景気の押し上げに向けても民間企業の競争力の活用を前面に打ち出し、公共事業重視など「大きな政府」路線のオバマ政権との違いをことさらアピールする戦術をとります。

 米製造業のリショアリングは過去にもありましたが、持続性に乏しいものでした。 今回は大統領選後も尻すぼみとなることなく、米経済の構造改革と底上げにつなげられるのか。 大きな命題が米国に突きつけられています。

 中国から拠点を戻す米製造業 米ボストン・コンサルティンググループ(BCG)が製造業106社を対象に行った調査によりますと、「中国から製造拠点の移転を計画、もしくは検討している」と回答した企業は37%に上りました。 売上高が100億ドル以上のいわゆる大企業に限れば48%と半数近くに達しています。

 BCGは中国から製造業が米国に戻ることで、米国内の雇用が80万人増加するとの試算も発表していて、サービス業なども含めると最大で300万人の雇用が増えるとしています。 調査対象の企業の大半が、中国での人件費の上昇が今後も続くと予想していて、調査をまとめたハル・サーキン氏は「製造業をめぐる経済情勢は米国に有利になりつつある」と指摘しています。

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医療費無料化見直すべき=財務副大臣

 五十嵐文彦財務副大臣は19日、BSフジの番組に出演し、「生活保護や(子供の)医療費無料化は考え直すべき時期にきている」と述べ、財政再建に向けて消費増税と併せて、社会保障に切り込む必要があるとの認識を示しました。

 一方、民主党内に消費税率引き上げへの反対論があることについては「将来的にもだめだと言っている人はそんなにいない。説得の仕方はある」と語りました。

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G8、財政健全化と成長両立 一致へ 欧州危機対応

 主要8カ国(G8)首脳会議(サミット)は19日、米ワシントン郊外のキャンプデービッドで2日目の討議に入りました。 最大の焦点である欧州債務危機への対応を巡って、財政の健全化と経済成長の両立を目ざす必要があるとの認識で一致する見通しです。 これに先立つ1日目の討議では、北朝鮮に核実験の自制を強く求める方針を確認しました。

 5月6日のギリシャ総選挙で緊縮策に反対する野党が勢力を伸ばして以降、G8の首脳が集まるのは初めてです。 ギリシャが単一通貨ユーロから離脱に追い込まれるとの観測が浮上し、金融市場の混乱が世界的に広がっています。 19日の討議では、ギリシャ問題に多くの時間を割くとみられます。

 オバマ米大統領とフランスのオランド大統領はG8会議に先立つ18日の会談で、ギリシャがユーロ圏に残留するのが望ましいとの認識を共有しました。 両首脳は欧州危機の打開に向け、財政再建と経済成長を両立させる政策が欠かせないとの見解でも一致。 19日のG8会議も同様の見解を打ち出す公算が大きいです。

 G8首脳会議は18日の夕食会で、地域情勢を話し合いました。 北朝鮮を巡って、野田佳彦首相は核実験を念頭に挑発行為の阻止へ各国に協調を要請。 各国はG8の緊密な連携が重要との認識を申し合わせました。 日本は首脳宣言に核実験阻止に向けた文言を盛り込みたい考えです。

 G8首脳は北朝鮮が国際規範に従う重要性が高まっていることを確認。 米側の説明では、ロシアのメドベージェフ首相も米国とともに北朝鮮の弾道ミサイル発射に反対したことに言及しました。

 イランの核問題では深刻な懸念を共有し、経済制裁などの圧力を続ける方針で一致。 イランの核兵器開発の疑惑解明に向けて、具体的な対応が必要との意見に異論は出ませんでした。

 G8首脳会議は19日午後(日本時間20日朝)に首脳宣言を採択して閉幕します。

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失業率高い男性、賃金低い女性 偏りが成長に影

 「マンセッション(mancession)」――。 リーマン・ショック後の米国でこんな造語が流行しました。 「男性(man)」と「不況(recession)」を組み合わせたもので、男性の失業が女性よりも深刻な状態を指します。

 未曽有の金融危機に直面した米国。 男性の雇用が多い製造業や建設業は、過酷なリストラを迫られました。 米ミシガン大学フリント校のマーク・ペリー教授は「一方の性別にこれほど不釣り合いな痛みを強いた不況はない」と語っています。

 米経済の回復とともに、失業率の男女格差は縮まってきました。 しかし男性の失業率が女性を上回る先進国は多いです。 一時的な現象とはいいきれないマンセッション。 三井住友アセットマネジメントの宅森昭吉理事チーフエコノミストは「雇用を生み出す主役の交代が背景にある」と話します。

 日本では失業率の男女格差がもともと小さいものでした。 男性が女性を上回るようになったのは1997~98年からで、2010年3月にはその差が過去最大の1.2ポイントに広がりました。 直近の今年3月は男性が4.9%、女性が4.1%。 程度の違いはあっても、男性受難の構図は変わりません。

 今年3月の就業者を10年前と比べますと、公共事業削減の影響が大きい建設業は21%、生産拠点の海外移転が進む製造業は16%減りました。 いずれの業種も男性の比率が高く、建設業は86%、製造業は71%を占めます。

 一方、少子高齢社会に欠かせない医療・福祉の就業者は48%増えています。 女性の比率が75%に及ぶ業種です。 こうした産業構造の変化や就業構造の違いが、失業率の男女格差を固定化したのは間違いありません。

 足元の就業者に注目しますと、東日本大震災の復興需要に沸く建設業には持ち直しの兆しもみられます。 ですが雇用創出の主役交代は確実に進むとの見方が多いです。 「20年の失業率は男性が7.1%で、女性が5.9%」(リクルート・ワークス研究所の戸田淳仁研究員)との試算も出ています。

 問題は女性の比率が高い業種の賃金水準が低い点です。 3月の労働者1人あたりの現金給与総額をみますと、医療・福祉は約26万円です。 非正規雇用が多いこともあって、建設業の約33万円や製造業の約32万円を下回ります。

 「モノからサービスという雇用の重心移動は、先進国共通の流れだろう。ただサービス業の生産性を高め、製造業との賃金格差を縮めないと、日本全体の所得が伸びにくくなる」と日本総合研究所の山田久調査部長は指摘します。

 経済産業省がまとめた20年度の予測によりますと、製造業の雇用が大幅に減る「空洞化ケース」の失業率は6.1%に高まります。 これに対してサービス業が雇用を吸収する「成長ケース」では4.6%にとどまるといいます。

 製造業の再生は重要です。 円高の是正や法人減税、自由貿易の推進などを通じ、自動車や電機の競争力を高めなければなりません。 同時にサービス業の強化にも取り組まないと、雇用や所得の底上げはおぼつきません。 マンセッションが問う成長戦略の課題は少なくありません。

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長者番付から見た中国富裕層の5つの変化、不動産業は没落へ

 2012年5月16日、韓国紙・朝鮮日報は長者番付を分析し、中国の富裕層では不動産長者が没落し、内陸の富豪が台頭してきていると報道しました。 17日付で環球時報が伝えました。

 韓国のシンクタンク・LG経済研究院は15日、「富裕層の浮沈から見る中国経済」と題した報告書を発表しました。 報告書では中国誌・胡潤百富の2007年と2011年の長者番付を引用、資産規模を基準に選定された中国の長者上位500人を比較分析し、中国の富裕層に起きた変化を5つにまとめました。

 第1の変化は中国国内に「総合型富裕層」が増加している点です。 一業界だけに従事している富裕層は2007年の81.2%から2011年に68.6%まで減少しているのに対し、総合型富裕層の比率は18.8%から31.4%に増加しました。 うち、大部分は本来製造業でしたが、投資範囲を不動産や金融業に拡大した人たちです。 報告書ではこれまで富裕層が主に従事していた製造業や不動産業の拡張期は終わり、単独の業界だけでは富の蓄積や維持が難しくなっているためと分析しています。

 次に不動産業界の富裕層の没落が挙げられています。 不動産業界は中国では昔から「富裕層のゆりかご」でした。 2007年の長者番付上位500人のうち、不動産業からは100人と全体の20%が選出されていましたが、2011年には14%にまで下がっています。 浙江省の不動産業長者である宋衛平(ソン・ウェイピン)は2007年のランキングでは65位でしたが、財務状況を掌握せずに高級不動産の開発だけを続けた結果、2011年には438位にまで後退。 中国政府は不動産市場の過熱化を憂慮してさまざまな抑制策をとっており、これが不動産長者の没落を招いています。

 3つ目の変化は製造業の企業家の多くが金融投資家に転身していることです。 「中国のジョブズ」といわれたアリババグループの創業者・ジャック・マー(馬雲)とIT業界のトップがプライベートファンド「雲峰基金」を共同で設立。 大中電器の創業者・張大中(ジャン・ダージョン)はライバル会社に自社を思い切って処分し、投資家に転身しようとしています。 中国の富裕層が次々と金融業に転身しているのは、実業に投資してもうまみが薄くなってきているからです。

 4点目に挙げられている変化は、内陸部の富裕層の台頭です。 中国各地の富裕層の分布状況によりますと、上位500人の資産総額における沿海部の富裕層が占める割合は88.1%から84.5%に後退、逆に中部は6.1%から7.8%、西部は5.5%から7.5%へとそれぞれ増加傾向にあり、中国政府が推進する「西部大開発」などの地域間格差是正策による関連地域の富裕層の台頭が目立っています。

 最後に5点目の変化として、2代目御曹司の経営拡大があります。 富裕層上位500人のうち、経営に参加している「2世長者」の人数は、2007年の42人から2011年には141人と大幅に増加しています。

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ギリシャのユーロ離脱に備え、英紙幣印刷会社が旧通貨印刷を準備

 ギリシャがユーロ圏を離脱した場合に備え、世界最大の紙幣印刷会社、英デ・ラ・ルーは、同国がユーロ導入前に使っていた「ドラクマ」紙幣の印刷に向け緊急計画を策定するなど準備を整えています。 関係筋が18日、ロイターに対し明らかにしました。

 ギリシャのユーロ圏からの離脱が決まった場合、ギリシャ国内の紙幣印刷会社が一斉にドラクマ紙幣の印刷に取り掛かるとみられますが、デ・ラ・ルーのような海外の紙幣印刷会社にも受注が回ってくる可能性があります。

 デ・ラ・ルーはギリシャのユーロ導入前にドラクマ紙幣を印刷した実績があり、現在は150カ国を超える国の紙幣を印刷しています。 同社の株価は、過去1カ月で約11%上昇しました。

 この日は、ベルギーのオランダ語紙「デ・スタンダード」が、欧州委員会のデフフト委員(通商担当)がインタビューで、欧州委とECBがギリシャがユーロ圏を離脱した場合の緊急シナリオについて作業していると述べたと報じています。

 ロンドン株式市場で株価が全般的に下落するなか、デ・ラ・ルーは前日終値比0.5%高で推移しています。

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ギリシャがユーロを離脱したら・・・

 再選挙で財政緊縮派が敗退すれば、欧州単一通貨ユーロ圏からの離脱の可能性も高まるギリシャ。 ギリシャの離脱が現実のものになると、自国通貨が復活するギリシャ国内や、ギリシャを支援してきた欧州、日本にどんな影響が及ぶのでしょうか。

 Q ギリシャがユーロ圏から離脱するとどうなるのでしょうか?

 A かつてのギリシャ通貨「ドラクマ」が復活しますが、通貨を売買する為替市場で、ドラクマの相場の暴落は避けられません。 通貨の価値はそれを使う国の実力を反映します。 ユーロはドイツやフランスの経済力、信用力を反映して高い値段で取引されていますが、ドラクマはギリシャの経済力が弱いうえに、債務危機の震源地として信用力もなく、低い評価は避けられません。

 Q ドラクマ暴落で何が起こるのでしょうか?

 A 通貨安が進みますと、輸入品の価格が上昇します。 それにつられてものの値段が上がり、急激な物価上昇(インフレ)が起きてしまいます。 ギリシャの場合、前年比50%程度の超インフレを招くとの試算もあり、国民が生活必需品を買うのにも困るようになるなど、経済の混乱は必至です。 通貨安は輸出には有利ですが、ギリシャはそもそも輸出産業が乏しく、メリットが多くありません。

 Q 影響はギリシャだけでしょうか?

 A ドラクマ暴落で、ギリシャ政府、企業、国民がみな、ユーロで借りたお金を返せなくなる恐れがあります。 借金の金額そのものは変わらなくても、ユーロをドラクマに換算すると借金が実質的に膨らむためです。 その結果、欧州各国の政府、銀行は、ギリシャ政府、企業に貸しているお金が焦げ付き、巨額の損失が発生する可能性があります。 ちなみに、欧州の主要行が昨年末時点で保有するギリシャ向け債権は904億ドル(約7.2兆円)に上り、影響は少なくありません。

 Q どんな心配がありますか?

 A 同様に債務不安を抱えるスペインやイタリアなど、南欧諸国にも金融不安が飛び火します。 ドイツやフランスなどの政府、銀行が、ギリシャと同様に借金を踏み倒されるのではないかと警戒して融資を避ければ、南欧諸国の資金繰りが悪化してギリシャの二の舞いになりかねません。

 Q 欧州はどうなるのでしょうか?

 A ギリシャよりもはるかに経済規模の大きいスペインやイタリアの政府、企業が借金を返せなくなれば、欧州の銀行が経営破綻の危機にさらされます。 そうなれば、日本の金融危機のように貸し渋り・貸しはがしが横行し、欧州全体が資金の目詰まりを起こして沈没してしまうでしょう。

 Q 世界経済への打撃は?

 A 欧州の金融収縮や景気悪化は世界経済の牽引役である中国も直撃します。 中国では欧州から流入していた大量の資金が引き揚げられ、欧州向け輸出も落ち込むためです。 中国の失速は世界経済の成長の原動力が弱まることにつながります。

 Q 日本にも影響するのでしょうか?

 A 欧州の危機は国際金融市場を動揺させ、投機マネーが相対的に安全とされる日本の円の購入に回り、企業業績にマイナスな円高が進みます。 中国など新興国経済の失速で、日本の輸出にさらにブレーキがかかるなど、深刻な打撃が避けられません。

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スペイン 銀行経営に不安の声

 ヨーロッパの信用不安の拡大が懸念されているスペインで、国内の大手銀行の格付けが一斉に引き下げられたことを受けて、市民の間では、銀行の経営基盤に対する不安の声が広がっています。

 スペインでは、多額の不良債権を抱え、一部国有化される見通しとなった、国内第3の銀行「バンキア」を巡って、17日、スペインの地元紙が日本円で1000億円規模の多額の預金が引き出されていると報道し、政府がこれを否定する声明を出す事態が起きました。

 さらに、同じ17日、大手格付け会社の「ムーディーズ」が、不良債権の拡大などを理由に、国内16の銀行の格付けを一斉に引き下げました。 こうした状況を受けて、スペインの市民の間では国内の銀行の経営基盤に対する不安が広がっています。

 このうち首都マドリードの広場では、「政府は大丈夫だと言っているが、今後どうなるか心配だ。状況が悪くなったら預金を引き出して自宅で保管するしかない」といった声が市民から聞かれました。

 スペイン政府は、今月、将来の損失に備えた引当金を積み増すなど、銀行の経営強化策を発表しました。 しかし、18日に公表された統計では、国内銀行が抱える不良債権の額が日本円で15兆円近くと、18年ぶりの高い水準にあることも明らかになり、スペインの銀行の経営基盤はギリシャ情勢と並んで市場の大きな懸念材料となっています。

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